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おむつ、おもらしな内容の小説がメインとなります。 それらに抵抗のある方はご遠慮下さい。
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今回は突発の短編をひとつ載せてみようと思います。
以前からやってみようと思っていた独白形式のお話です。

今回のお話のテーマは「おむつの必要な女子高生」です。
日常のひとコマでこんなことを考えてるかな、と想像しながら書いてみました。
お話のアイデアはついったー上の会話から得たものです。
うまく書けているか不安ですがお楽しみいただければと思います。


「とある少女の日常生活(おむつせいかつ)」

「ねぇ、トモ……智花ってば…」
午後の授業中に寝てしまった私は、隣の席の綾香に声をかけられて起こされた。
「んぅ・・・なによぉ。…眠いんだけど…」
「なによぉ。じゃなくて、先生こっち見てたから当てられる前に起こしたのよ」
眠い目を擦りながら問いかける私に、綾香は小声で答えてくれる。
確かに板書をしている先生は頻繁にこっちを見ているような気がする。
「ありがとね、綾香。アヤが寝てたら起こしてあげるね」
「や、私はトモみたいに寝ないから」
アヤとそんなやりとりを小声でしながら硬くなった体をほぐそうと少し伸びをするとお尻から濡れたような感触が伝わってきた。
(あ…またやっちゃったんだ…。次の休み時間トイレ行かないとね…)
濡れたものの貼りつく感触に気持ち悪さを感じ、無意識に体を揺らす私。
ふと時計を確認すると、残りの時間はあと5分くらいになっていた。
(ラッキー、寝てる間にだいぶ時間経ってる)
私は心の中でそう呟いて、急いで板書をノートに書き写していった。

授業終了のチャイムが鳴り途端に賑やかになる教室。
クラスメイトはそれぞれに集まっておしゃべりをしているけれど、私はそれには参加せずに少し大きめのポーチを持って教室を出る。
「うぅ~ちょっと油断したかも…冷たいよぉ…」
椅子に座っている時はそれほどでも無かった濡れた部分の冷たさがはっきりと分かる。
歩きにくいのを我慢して私はトイレの個室へと入った。
「ふぅ、ここまで来れば大丈夫ね…」
ドアにもたれかかりながら後ろ手にカギを閉め、大きく息を吐く。
毎回トイレに来るまでの間は誰かに見つかるんじゃないかと不安に感じるから個室のカギをかけると安心する。
「さてと、時間も無いし、早くしないとね」
私は誰に聞かせるでもなく呟くとスカートを脱ぎ、フタを閉じた便座の上に畳んで置く。
すると個室の中に現れるのは上半身は高校の制服、下半身はパンツ…では無く高校生には不釣合な紙おむつを身に着けた女の子の姿。
「う~、さすがにもう冬だしこの格好だと寒いなぁ…」
どうして高校生にもなって紙おむつをしているかと訊かれれば「私には必要なものだから」と答えるしか無い。
高校に上がる前、中学卒業の直ぐ後に巻き込まれた事故。
幸い目立つ傷は残らなかったけど、腰の辺りを強く打ち付けてしまった。
その影響なのかおしっこを我慢すること、尿意を感じることが難しくなってしまった。
最初は一時的な症状だと思っていたが、医者からは完全に治すことは出来ないと告げられてしまった。
もちろん入院中にもおむつは着けさせられていたが、退院後は普通の下着に戻れると思っていた。
それだけに今後もおむつを身に付けなければ元の生活を送ることが出来ないと理解したときは絶望的な気分になったっけ。
「…よっと、うわぁ黄色くなってるなぁ…一回トイレに行ったのになぁ。ま、いいや。新しいおむつはっと…」
まぁ半年近くたった今ではなんとかおむつを着けることを受け入れることが出来るようになってきたって感じかな。
実際、退院して一日でおむつ無しじゃどうしようも無いことは痛感したしね。
一日パンツで過ごそうと思っていたんだけれど実際にはお昼になるまでに気づかないうちにお漏らししちゃうし、
トイレに行きたくなっても全然間に合わずに途中でお漏らししちゃったりしちゃって、さすがにおむつを着けようと思ったの。
それに…思っていたよりも紙おむつの着け心地が良かったってのもあるのかな?
「この柄もかわいいなぁ…っと見とれてる場合じゃないや。んしょっと、はぁ~新しいおむつあったかくて柔らかいなぁ…」
病院では大人用の一番小さいサイズのおむつを着けられたんだけど、真っ白でいかにも介護用って感じのおむつだったからすごく嫌だった。
退院してからもしばらくは仕方なくはそのおむつを着けてたんだけど、我慢出来なくてネットで色々調べてみたの。
最近は子供用の紙おむつでも大きいサイズがあるのね?小学校の大きな子でも履けそうなサイズまであってびっくりしちゃった。
幸い、と言うか何と言うか…。年齢の割に小柄だったからなんとか子供用の紙おむつでも穿くことが出来た。
少し恥ずかしかったけど紙おむつを穿いて鏡を見てみると、今までの味気ないのとは違い、白地に可愛いデザインの紙おむつを穿いた私の姿。
その時ばかりは自分の小柄な体に感謝しちゃった。普通の体格ならこんな可愛いおむつ穿くことなんて出来なかったんだもの。
「…っと、スカートも履いたし…変なとこもなしっと。教室戻ろっと」
おむつを替えるときはスカートも一緒に脱ぐことにしている。ほんとはトイレで下を全部脱ぐのは恥ずかしいのだけれどね。
慣れない頃に脱がずにおむつを替えようとしたら濡れてた部分にスカートが触れちゃって目立たなくするのに大変だったのよね…。
それ以来、スカートを履いているときにおむつを替える場合は脱ぐようになったってわけ。正直冬は寒いわね…。
「おっと、いけない。これ持って教室帰るところだったわ。丸めて…袋に入れてと。掃除当番さんよろしく~」
個室のカギを開ける直前に手に持ったままの重くなった紙おむつに気づく。危うくそのまま教室に戻るところだった。
手早くおむつに付いているテープでおむつを丸め、ポーチから取り出した黒いビニール袋に入れ口をしっかり閉めるとそのままゴミ箱に捨てる。
「さってと、残り1時間がんばろっと」
 

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ねこのおんがえし4-1話お届けします。
今回は最初の構成から長くなることが分かっていたので場面の区切りがいいところで更新することにしました。
では、お楽しみください。


少女を連れて脱衣所へと出た圭介。しかし体を拭く段階になって重要なことに気づいたらしい。
(髪はともかく、体を拭いたりしてもいいんだろうか・・・風呂場でも体は洗ってやらなかったし・・・)
髪を洗うことは特に意識してはいなかったが、全裸でしかも湯上りの体を見ていると変に意識をしてしまう。
ひとまず髪を拭いているのだがどうにも身体に目が行ってしまう。少女は手持ち無沙汰に濡れた自分の体を眺めている。
「あの、けいすけさん。こっちも濡れてますけど、いいんですか?」
「あ~…今髪拭くので手が塞がってるからさ。悪いんだけど自分で拭いてくれる?」
体が濡れたままなのが不思議なのか少女が振り向き自分の体を指差しながら圭介に尋ねる。
少女が振り向いていたことで背中側にいた圭介にもその控えめだが確かに膨らんでいる胸がはっきりと見えてしまう。
しっかりと少女の胸を見てしまった圭介だが、気まずさから少女の体から目を背け自分で体を拭くようにと新しいタオルを手渡す。
「はぁ…これで濡れたのを拭くんですね?へぇ…人間って面白いですね」
新しく興味を惹かれるものができ、正面に向き直りタオルを自分の体に擦りつけ始める少女。圭介はほっと胸を撫で下ろすと同時に先程の光景を思い出す。
(こんなに小さくても意外に膨らんでるもんなんだな…って何考えてるんだよ。この娘はそんなんじゃないだろ)
自分で忘れようと思えば思うほど鮮明に先程の光景を思い出してしまう圭介。頭から追い払おうと黙々と少女の髪を拭いていく。
少女は少女で体を拭くのが面白くなってきたのか上機嫌でどんどんと拭く場所を変えていく。髪の方も大体乾いたのでドライヤーを手に取る。
「ちょっとあったかい風出るからね。じっとしててね」
呼びかけてからドライヤーのスイッチを入れる圭介。と同時に少女の背筋がピンっと伸び、しっぽの毛も少し逆立った。
「にゃっ…音、びっくりしました…。あ、あったかいですぅ…」
「そう?それなら良かった」
初めは音にびっくりしていた少女だったが、温風にリラックスしたのか逆立っていたしっぽの毛も元に戻り伸びていたしっぽもフニャフニャと緊張が解けていく。圭介はその様子に笑いを堪えながら少女の髪に手を入れ丁寧に温風を当てて乾かしていく。
少女も体の前面は拭き終え暇になったのか拙い手つきでタオルを畳んだり、広げたりを繰り返している。
「前の方は拭けたかな?後ろ拭くからタオル貸してくれる?」
「はい、お願いします」
少女は少し歪だが丁寧に畳まれたタオルを差し出す。圭介はそのタオルを見て微笑を浮かべる。
「?あの、何かおかしかったですか?」
「いや、ちゃんと畳めてるなと思って。えらいえらい」
タオルを見て笑っている圭介に尋ねる少女。
その答えとして頭を撫でながらタオルを目の前に差し出す圭介。撫でられ少女は目を細め「あぅ」と呟く。
「じゃあ、背中から拭くから。くすぐったかったら言ってね」
一応体に触れることを宣言してから少女の背中を拭き始める圭介。少女は胸の前で手を組みどうすることも出来ずじっとしている。
(女の子の体ってほっそいなぁ…でも柔らかいな…もうダメかもな、俺…)
少女の背中から腰までを拭きながら圭介はふとそんなことを考えてしまう。圭介は手を止めると少女の肩越しにタオルを差し出す。
「一人で拭けないところは拭いといたから足の方は自分でやっといてくれる?キミが着るもの探してくるからさ」
「…わかりました。すぐ戻ってくるんですよね?」
「うん?あぁ、大丈夫、すぐに戻ってくるよ。じゃあ残り拭いといてね」
服を探しに圭介が脱衣所を離れることを知ると途端に後ろを振り向き不安そうな表情になる少女。
圭介はその不安を吹き飛ばすように笑顔ですぐに戻ると答え頭を撫でてやる。
少女は圭介の言葉に頷くが早いか前屈の姿勢で足を拭き始める少女。当然少女の真後ろにいた圭介には少女の大事な部分が全て見えてしまう。
「ぶっ!」
「?どうかしましたか、けいすけさん?」
「や、なんでも無いから」
「?はぁ…んしょんしょ…」
予想外の光景にまだ少女の方を向いていた圭介は思わず噴き出してしまう。
それに気づいた少女は足の間から顔を出して圭介の様子を伺おうとする。
しかしそうすることでさらに見える範囲が大きくなっていくことに少女は気づいていない。
圭介は自分の方を覗き込もうとする少女に手のひらを向けストップさせる。少女は納得していない様子だったがすぐにまた体を拭く作業に没頭する。
圭介はその様子を確認して脱衣所のドアを閉める。
「はぁ…羞恥心無いとは思ったけどあそこまでとはなぁ…。まさかモロにアソコ見せられるとは思わなかった…」
ドアの横の壁にもたれかかり、脱力しながらため息を付く圭介。考えることは自然と先程の光景になる。
「しっかし…アイツのとは違って、つるつるだったしきれいだったな。……着るもの探さないとな…」
自分が無意識に呟いていた内容に自分でも呆れてしまう圭介。
しかし突っ込む気にもならなかったためそのまま少女の着るものを探しに向かったのだった。

拍手[7回]

え~前回の更新から間隔が開いてしまいました。 ついったーばかりしてました、スミマセン。
今回の内容ですが、当初の予定よりもだいぶ削りました。理由は間延びしすぎるかなぁと思ったからです。
該当のシーンは今後どこかで入れる予定ですのでお楽しみにw

さてさて、いくつかブログのコメントと拍手コメントを頂いており大変喜んでおるところです。
カウンタ回ってるので見てくれてる方がいるのはわかってますが、やはりコメント貰えるとうれしいものですね。
ところで、頂いたコメントにはコメント欄で返事をしたほうがいいんですかねぇ? アドバイス頂けると助かります。
頂いたコメントを糧にがんばっていきます。
前置き長くなりましたが、1-3話どうぞ。


「じゃあ、シャワー終わったら呼んでね」
少女を連れて浴室に移動した圭介。さすがに入浴に立ち会うわけにも行かず、一言告げると出て行こうとする。
「あのぉ…けいすけさん。しゃわーってなんですか?」
「へ?…さっき頷いてたよね?」
「あ、そのぉ…勢いでつい…」
目の前の少女は姿は人でも知識は猫のままのようでシャワーが何かもわからないらしい。
圭介はどうしたものかと天井を仰ぐ。寒さに震える少女をこのままにしておくわけにもいかないが自分が一緒に入浴するのも躊躇われる。
「けいすけさん……もしよければ一緒に…その、しゃわー…してください…」
「ん~……わかったよ。このままじゃ不味いしな、後で後悔してもだめだからな」
少女は圭介の反応でなんとなくシャワーが恥ずかしいことだと感じたのか、顔を赤くしながら頼み込んでくる。
圭介としても苦渋の決断だったが、少女に風邪を引かせるよりはマシと覚悟を決めたようだった。
「それじゃあ中に入るから、その被ってるの渡して」
「ええ?これ…取らないとだめですか?」
「いや、何か着たままシャワーは出来ないよ。どうせ一緒に入るんだし、ほら渡して」
「はぁ…そうなんですか。じゃあ、どうぞ…」
恥ずかしがるかと思いきや意外と素直に被っていた布を渡す少女。
「うん、ありがとって……え?」
「?どうかしましたか?」
布が無くなり圭介の眼前に現れたのは一糸まとわぬ少女の姿だった。まさか下着を着けていないとは思わず圭介は少女から目を逸らす。
一方少女は特に恥ずかしくもないのか平然と圭介のほうを向いている。
「あのさ、一応聞くけど…下着は?」
「したぎ?…なんですか、それ?…っくち」
やはりと言うか、元が猫の少女は下着の存在も知らなかった。もっとも猫には必要の無いものなので当たり前の話なのだが。
「ん~とね、服の下に着る物なんだけど…とりあえずは置いといて、シャワー浴びちゃおう。風邪引くから」
「はぁ…そうなんですか…」
少女の全裸に意表を突かれた圭介だったが、少女のくしゃみに我を取り戻し少女を浴室へと連れて行く。
少女もまた寒いのか無意識に両腕を抱きかかえ少しでも寒さを和らげようとしていた。

「さてと、それじゃあそこに座って。じっとしててね」
「…はい。けいすけさん、ここは何をするところなんですか?」
少女を椅子に座らせるとシャワーの温度調節を始める圭介。その様子と浴室を見回しながら尋ねる少女。
「ん~?お風呂って言って、体をきれいにしたりお湯に入って温まる場所だよ。っと、熱かったら言ってな」
少女と話しながら温度の調節を終える圭介。少女に話しかけながら頭にシャワーを浴びせる。
「にゃあ~~~~っ、な、なんですかこれ~~~。なにするんですかぁ~~」
「あっ、こら暴れると危ないからっ。じっとしてるっ」
いきなりシャワーを浴びせられパニックになり暴れようとする少女。ひとまずシャワーを中断しそれを止める圭介。
「ほら、もう止めたから。落ち着いて、な?」
「ふ~…ふ~……ごめんなさい、暴れてしまって。さっきのがしゃわーなんですか?」
圭介の静止になんとか落ち着きを取り戻す少女。圭介を上目遣いに見ながら尋ねてくる。
「そう、さっきのがシャワーだよ。熱い水が出てきたでしょ。人間はああして体をきれいにするんだよ。熱かった?」
「いいえ、熱くはなかったですけど…その、びっくりしました」
「あ、そうか、いきなり頭にかけたもんな。今度は体にかけるからな」
「はい。その…やさしく、してくださいね」
先程の行いを反省しつつ再度温度を確認する圭介。少女はやさしくしてくれるように頼み込んでくる。
圭介はその仕草がとても可愛く思え、無言で少女の髪を撫でゆっくりと体にシャワーを浴びせていく。
「どう?熱くない?」
「はい…とっても気持ちいいです…」
浴びせられるシャワーの温度に気持よさそうに目をつぶり答える少女。少女の気持ちを表すかのようにしっぽもゆらゆらと一定のリズムで揺れている。
圭介は揺れるしっぽを眺め、最低限少女の体を見ないようにしてシャワーを浴びせる。
「じゃあ、次は髪にかけるからね…耳、大丈夫かな?」
「えと…水が入らないようにするので大丈夫だと思いますけど…」
髪にシャワーを浴びせるのに少女の耳が気になる圭介。少女は圭介の言葉を受けて耳をペタンと寝かせてみせる。
「…なるほど、これなら大丈夫かな。もし変だったらすぐ言ってね」
「はい…お願いしますね」
少女の言葉を受け、髪にシャワーをかけていく。初め「ビクッ」と肩を震わせた少女だったが慣れたのか徐々に体の力が抜けていくが分かる。
圭介は少女の髪の毛を指で梳くのが面白くついつい夢中で梳いてしまう。少女もシャワーの温かさに安心したのか無言になる。
「けいすけさん?…シャワーってすごく気持ちがいいんですね…気に入っちゃいました。あと…髪触ってもらうのも気持ちいいです」
「あ…っと。つい気持ちが良くて、ごめんね。…シャンプーするから目閉じててね」
少女に髪を触っていたことを気付かれていた照れ隠しなのかシャンプーを手に取り少し手荒く少女の髪へと広げていく圭介。
人の髪を洗うことに慣れていない圭介の手つきだが、少女は気持よさそうに目を閉じ身を委ねている。
「なにか、いい匂いがしますね。これがしゃんぷーなんですか?」
「そうだよ。これで髪をきれいにするんだよ。さて流すからね」
一通り髪が泡にまみれたのを確認して再び髪にシャワーをかけて泡が残らないように丁寧に洗い流していく。
「はぁ~気持ちいいです~……あ、あれっ?」
「はい、終わったよ~…ってどうしたの?」
シャワーを終えたが、少女の様子が何かおかしい。足元を見るとシャワーを止めているのに何故か水が流れている。
ふと流れを追っていくと少女の足の間へとたどり着く。少女も圭介の視線に気づき慌てて足を閉じ出どころを隠そうとする。
「や、見ないでくださいよぉ…これは、その…えっと…」
「あ~…あれだ。冷えてたからだが温まったからね。気にしなくていいよ、流しちゃえばいいんだからさ」
お漏らしを見られた少女は真っ赤な顔で俯いてしまう。圭介は少女を慰めながらようやく止まったお漏らしをシャワーで流してしまう。
「さて、もう一度体流したら出ようか」
圭介は先程のお漏らしなど無かったかのように振舞う。少女も圭介の言葉に頷き、大人しくシャワーを浴びせられている。
「はい、おしまいっと。それじゃあでよっか」
圭介はシャワーと止めるとそう話しかけ手を差し出す。少女も圭介の手を取り立ち上がると脱衣所へと向かっていった。
 

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「それで、うちに何の用だったのかな?」
「あ、あの…な、まえ」
ひとまず少女を家の中にいれ、訪ねて来た理由を尋ねる圭介。少女は消えそうな声でなまえと呟いた。
「なまえ?俺の?……圭介、だけど。それがどうかした?」
少女の呟きに圭介は自分の名前を答える。少女はその答えを聞き瞳を潤ませる。
「えっ、あ、ちょっと、どうしたんだよ。なぁ、おい」
「…ひっく、け…す…。えっく…見つけた…けいすけぇ」
なぜか圭介の名を聞いた途端泣き出す少女。圭介はどうしていいかわからずただ泣きじゃくる少女を見つめることしかできない。
しばらくすると泣きじゃくる声は収まり少女が鼻をすする音だけが響くようになった。
「あの……大丈夫?」
「ふぁい…ずみばぜん。うれしくてつい」
少女は圭介の問いに鼻水をかみながら答える。その顔は先ほどよりもずいぶん明るく見える。
圭介も少女の様子が明るくなったのに気づき少しほっとする。飲み物を差し出し話を続ける。
「それで、さっき俺を探してたって言ってたけどあれはいったい…」
「はい。ずっとあなたを、圭介さんを探していたんです」
「探してたって…どこかで会ったことあったっけ?」
少女の言葉に圭介は改めて少女の顔をまじまじと見つめる。羽織っている布でよくは見えないが長い髪に整った顔。
記憶を掘り起こそうと少女を見つめていると少女と目が合う。少女は少し照れたように笑う。やはりその顔に見覚えは無いらしい。
「えっとさ、どこかであった覚えが無いんだけど人違いとかじゃない?」
「いいえ。確かにあの時助けてくれたのはあなたですよ、圭介さん。覚えてませんか?」
少女の事を覚えていないと言う圭介の言葉に首を振り、圭介の目をまっすぐに見据える。
その少女のまっすぐな視線で冗談では無いと思いもう一度記憶を洗いなおす圭介。
(まったく覚えが無いんだよな…そういや助けてもらったとか言ってたな。…助けた?)
腕を組み考え直しているうちにある出来事に思い当たる圭介。
「そういやちょっと前に車に轢かれそうになった子猫を助けたことはあるけど…関係無いしな…あ?」
独り言のように呟く圭介。ふと視線を感じ顔を上げると少女が期待の眼差しを向けていた。
「いや、助けたって言っても子猫なんだけど…。まさかその子猫の飼主?…でも猫が名前分かるわけないし…」
「わかり…ませんか?」
「ん~…あの場には確かに俺と子猫しかいなかったし…まさか猫が人になったり、なんて事漫画じゃないんだし…へ?」
圭介は自分でも馬鹿げていると思う仮説を口にする。しかし少女はうれしそうな表情をし、さらに頭に被っている布の下で何かが動いている。
「あ…のさ。聞いていいかな?」
「はい?なんですか?」
「その…布の下…何が動いてるの?」
少女の感情に連動するかのように布の下で何かが動いている。圭介は少女の頭を指差し問いかける。
「これですか?…なにって…耳ですよ?あ、あとしっぽです」
少女は圭介の問に答えながら頭を覆っている布を取る。すると人のものでは無い獣、恐らくは猫の耳と同じく猫の尻尾とが現れた。
「は?耳?しっぽ?……え?夢?」
圭介は少女の体から生えている耳と尻尾を見ながらも現実を受け入れる事ができずにいた。
圭介が見つめる前で、耳はピコピコと動きしっぽもまたフリフリと少女の今の感情を表すように揺れてる。
「ちょっとごめん」
圭介は少女に一言言うと少女の耳に手を伸ばす。
「…柔らかい…それに暖かい…まるで本物みたいだな…」
「ひゃっ、けいすけさ、んっ。んんっ、はぁっ…」
触れた耳は本当の猫の耳のように柔らかく、毛の感触も本物のようだった。そして何より温かく、作り物ではなく確かに血が通っている事が感じられた。
しばらく耳の感触を夢中で触っていた圭介だったが、少女の様子がおかしいことに気づき手を放した。
「んんっ、ふぅっ…はぁはぁ…けいすけさぁん、触り過ぎですよぉ…」
「あっ、ごめん。つい…」
圭介の手から開放された少女は椅子の背もたれにぐったりともたれ掛かり、荒くなった息を整えようと深呼吸をしている。
圭介は少女の耳とさっきまで触れていた自分の手を交互に眺める。やはり先程の感触は本物で、少女の耳も本物らしい。
「あのっ、私、あの時助けて貰った猫です。…信じてはもらえないかもですけど……あ、この前の時の背中、大丈夫でしたか?」
「…いや、信じるよ。触ったから分かるよ。その耳は本物だ。それにあの場にいないと背中の事は分かんないし」
当事者でしか知り得ない事を口にする少女。その言葉で圭介は少女が助けた子猫だと確信したようだった。
「けいすけさん…よかった、信じてもらえて。信じてもらえなかったらわた…くちゅっ」
少女の言葉は突然のくしゃみで途切れる。よく見ると少女は全身びしょ濡れで寒さで震えていた。
「とりあえずさ、色々話したいことはあるだろうけどそのままだと風邪引いちゃうから。シャワー浴びておいで」
圭介は少女の目線に高さを合わせそう告げる。少女も圭介の言葉に頷くのだった。

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梅雨時のさっぱりしない天気の中降り出した雨の中傘も差さずに立ち尽くす青年が一人。
「ったくついてないな。折角の晴れ間に出掛ければ雨に降られるし」
青年:圭介は傘を買うため手頃な店を探すでも無く、歩道に立ち尽くしてただ雨雲を見つめる。
「三日降り続いてまだ降るのかよ。いい加減梅雨明けしてほしい……ん?」
何か違和感を感じて足元を見ると一匹の子猫が圭介の足に体を擦り付けていた。
「ん?なんだ、雨宿りしたいのか?残念だが傘は無いぞ。他をあたりな」
擦り寄って来た子猫の頭を撫でてやりながら呟く圭介。
そのとき、車道を挟んで向かい側の歩道から猫の鳴き声が聞こえた。
足元にいた子猫はその鳴き声に反応し、顔を上げ向かいの歩道の方を見つめている。
「猫の鳴き声、お前の仲間か?お、あいつかな?」
圭介も子猫と同じように向かい側の歩道に声の主を探す。
程なくして足元にいる子猫よりも少し大きめの子猫を発見した。
未だに向かい側の子猫を見つけられない足元の子猫の頭を軽く叩き向かいの歩道を指差す。
すると子猫もようやく気づいたのか圭介の顔を見てお礼のつもりなのか「にゃあ」と鳴いて向かいの歩道へと歩き出す。
その様子をしばらく眺めていた圭介だが左右も確認せずに車の行き交う車道に猫が走り出した瞬間には自身も一緒に走り出していた。
「あの猫っ、何考えてやがるっ。車が危ないとか分かんないのかよっ」
圭介が車道の手前までたどり着いたときには子猫は既に車道の中央あたりにいて、車に驚いて動けずにいた。
圭介は状況を確認すると車が迫っているにもかかわらず車道へと飛び出し子猫の元へと向かう。
「間に合えよっ」
迫り来る車のことなど気にも留めないで子猫を抱きかかえると体勢を崩したまま車道の端まで地面を転がる。
縁石で背中を強打し、悶絶していると背後から大きなクラクションの音が鳴り響く。ほんとにギリギリのところだったようだ。
「いってぇ、なんとか無事みたいだな。お前も無事か?」
背中を押さえながら何とか歩道に非難し抱えている子猫を見やる。子猫は何が起こったのか分からない様子で圭介の顔を舐めてくる。
しばらく子猫とじゃれているともう一匹の子猫が近寄ってきていたのに気付く。
「ほら、舐めるのはもういいから。お仲間のお迎えだぞ、車には気をつけろよ?」
首根っこを掴んで言い聞かせ、子猫を地面に下すと直ぐに仲間が近寄り何か話しているような仕草を見せる。
圭介はしばらくその様子を眺めていたが雨が本格的になってきたため立ち去ろうとする、と背後からの二つの泣き声に呼び止められる。
しかし、振り返ることなく後ろ向きに手を振りながら圭介は歩いていってしまった。子猫たちもまた圭介が見えなくなると別の方向へと歩いていった。

「あ~、今日も雨か…今日で何日目だよ…」
相変わらず梅雨明けしておらず既に一週間は聞いている雨音に呟く圭介。
昨日と変わらず聞こえる雨音に目を覚まし、特に何をするでもなくベッドの上に寝転がっている。
まだ早い時間だったため二度寝をしようとも考えたが違うことが頭をよぎる。結局ベッドに寝転び見慣れた天井を見つめることに終始している。
「こんな時に考えるのは今更どうでもいいことだけか……くそっ」
先日別れ話を切り出された彼女とのやりとりを思い出し悪態をつく圭介。寝返りを打ち目の前の壁を見つめる。
考えないようにと目をつぶるが浮かぶのは彼女の笑顔。どうやらすぐに忘れることは無理なようだ。
蒸し暑いため覚えた喉の渇きに耐えられず、二度寝を諦めベッドを降りて冷蔵庫へと向かう。
冷やされたペットボトルのお茶を取り出し一口飲み込むと、だいぶ思考が落ち着いてきたようだ。
「朝飯には遅いし昼飯には早いか…まとめてでいいか。…なんも無いな」
しばらく外食が続いていたため冷蔵庫の中には飲み物しか入っていなかった。
そもそも、彼女と付き合っていたときは圭介の部屋で同棲同然の生活をしていたため食材の心配をしたことがほとんど無かった。
圭介もその事に気づいたのかばつの悪そうな顔で冷蔵庫の扉を閉める。
「……ずっと頼りっぱなしだったか。そりゃ愛想もつかされるかな…」
しばらく冷蔵庫にもたれ掛かる圭介。すると不意に玄関の方でドアに何かがぶつかったような音がする。
「なんだぁ?近所で引越しでもしてるのか?傷とか付いてないだろうな」
何が行われているかよりもドアの傷の有無の方が気になる圭介。すぐに玄関に向かい覗き穴から外の様子を伺う。
「…特に人が行き来している様子は無いと。じゃあさっきのはいったい何の音だったんだ?」
考えを呟きながらドアノブに手をかけると、今度はチャイムが連続で押されているようで鳴り止まない。
「今度はチャイムか。…新手の嫌がらせか?」
明らかに普通とは違う状況に普段ならゆっくりと開けるドアをそこまで危険ではない範囲で力を込めて開ける。
「はいはい、どちらさまですかぁ?」
『ゴッ』
するとドアが開ききる前に何かにぶつかった感覚で止まってしまう。しかし、特にドアの向こうからの反応も無い。
圭介は恐る恐る開いたドアの隙間から体を出しドアの向こう側を確認する。
「……おんな…のこ?…え~と大丈夫?」
「ふぁい…だいじょうぶれふ……」
ドアの向こうには毛布のような布を羽織った女の子が鼻を押さえて立っていた。どうやら開いてきたドアにぶつけたらしい。
圭介はまさかいたずらの主がこのような少女とは思っておらず、どのように対処していいか想定していなかった。
少女にどのように接するか考えている間にぶつけた鼻の痛みも引いたのか少女は圭介をじっと見つめていた。
圭介もようやく落ち着きを取り戻し、少女が自分を見つめていることに気づいた。
「えっと、うちに何か用かな?」
「え?…あ……その、えと…」
「あの、さ…中でお話しないかな?」
話しかけられうろたえる少女。圭介はこのまま話していてもどうしようもないと思い室内に入ることを提案したのだった。
「あ…う…えと…はい」
少女は少しの迷いの後に圭介の提案に頷き圭介の後に続いて部屋へと入っていった。


 

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